【音痴克服】正しい音で歌えない3つの原因と今すぐできる対処法
The following two tabs change content below.

伊藤 俊輔

京都大学法学部卒のボイストレーナー。解剖学等の科学的根拠に基づいた論理的な指導が支持され、これまで30を超える企業・大学・団体に対し、ボイストレーニング講座を実施。受講者は2,000人を超える。

あなたは正しい音で歌えなくて悩んでいませんか?

飲み会の2次会や友達との遊びなどでカラオケへ行ったり、忘年会の出しもので歌ったりと、人前で歌う機会というのは結構あるものですが、上手く歌えなくて恥ずかしい思いをしたり、ストレスが溜まってしまうこともありますよね。

また、バンド活動などで本格的に歌を歌っている人の中にも、音が低くなったり、高くなったりして悩んでいる人もいるでしょう。

『歌は才能』、『音痴は直らないもの 』と諦めていませんか?そんなことはありません。音痴は、トレーニング次第で誰でも飛躍的に改善することができます

なぜ正しい音で歌えないのか。それには実は原因があり、その原因に応じた対処法が存在します。その原因を特定し、適切なトレーニングを行うことで、次第に正しい音で歌うことができるようになっていきます。

今回は、正しい音で歌えない3つの原因とその対処法について解説していきたいと思います。

LINE公式アカウントを友だち追加し、10秒で終わる簡単なアンケートにお答えいただくと、「高い声が出ない」、「すぐに喉が痛くなる」、「大きな声が出せない」という症状に効くレッスン動画を無料で視聴できます。

友だち追加
登録はいつでも解除できます

 1.音痴には3つのタイプが存在する

『音痴』と一口に言っても、大きく分けると、以下のような3つのタイプが存在します。

1-1.自分の声の高さを認知できないタイプ

自分の音が外れているという自覚を持っていないタイプです。一般的に行われる『もう少し高く』、あるいは『もう少し低く』といった指導は、仮にそれで正しい音を発声できたとしても、本人に正しい音で発声できているという自覚がないため、再現性がなくあまり意味がありません。このタイプの場合は、自分の声の高さを認知するためのトレーニングが必要となります。

1-2.正しい音程が身についていないタイプ

自分の声の高さを認知することはできるが、音程(音と音の幅)が曖昧に記憶されているタイプです。音程の感覚は生まれつき持っているものではなく、学習によって習得していくものです。このタイプの場合、音と音の幅を正確に記憶していくトレーニングが必要となります。

1-3.イメージ通りの音を発声できないタイプ

自分の声の高さを認知することができ、音程も正確に記憶できているが、正しく発声することができず、イメージ通りの音を出すことができないタイプです。時々絶対音感を持っていても上手く歌えない人がいますが、その場合もこのタイプに当たります。このタイプの場合、発声を改善することで、次第に正しい音で歌えるようになっていきます

2.タイプ別音痴克服法

それでは、これら3つのタイプに応じた具体的な練習方法について解説していきます。

2-1.自分の声の高さを認知するためのトレーニング

自分の声の高さを認知できないタイプの場合、正しい音を出せているのか判断することが難しいため、正しい音を正確に認知することができる方のサポートが必要になります。次のステップでトレーニングしていきます。

2-1-1.順番に鳴る音を聴き分ける

自分の声は、骨振動の影響があり聞き取りにくいため、まずは他人の声を聴き分けるトレーニングから始めます。

サポートの方が、「あー」、「あー」と2回に分けて声を出し、その2つの声が同じ音なのか、違う音なのかを聴き分けます。違う音の場合は、どちらの声が高いかについても判断します。その後、サポートの方と答え合わせをします。

2-1-2.同時に鳴る音を聞き分ける

サポートの方が、ピアノと同時に「あー」と声を出し、ピアノの音とサポートの方の声が同じ音なのか、違う音なのかを聴き分けます。違う音の場合は、どちらの音が高いかについても判断します。その後、サポートの方と答え合わせをします。

2-1-3.同じ音を出している感覚を身につける

他人の声を聴き分けられるようになったら、次は自分の声を認知するためのトレーニングに移ります。

まず自分が出しやすい音で「あー」と声を出し、サポートの方にそれに合わせて同じ音で「あー」と声を出してもらい、同じ音を出している感覚を覚えます。

2-1-4.自分の声とサポートの方の声を聴き分ける

まず自分が出しやすい音で「あー」と声を出し、サポートの方にも「あー」と声を出してもらい、それが同じ音なのか、違う音なのかを聴き分けます。違う音の場合は、どちらの声が高いかについても判断します。その後、サポートの方と答え合わせをします。

2-1-5.サポートの方と同じ音を出す

まずサポートの方に「あー」と声を出してもらい、それと同じ音で「あー」と声を出します。その後、サポートの方と答え合わせをします。

これらの練習を繰り返すことで、次第に自分の声の高さを認知することができるようになります。ある程度認知できるようになれば、『もう少し高く』、あるいは『もう少し低く』と言ったアドバイスも有効なものとなります。

2-2.正しい音程を身につけるためのトレーニング

正しい音程が身についていないタイプの場合は、音と音の幅を間違って覚えている、あるいは曖昧に覚えているため、正確に記憶し直すことが必要となります。

2-2-1.音程を正確に記憶する

先ほど述べたとおり、音程の感覚は、生まれつきのものではなく、学習によって得られるものです。音と音の幅を正確に記憶するため、ピアノの鍵盤に合わせて、『ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド』という音階を歌います。この時、自分の声をよく聴いてピアノと同じ音を出すことができているかシビアに判断します。ピアノの鍵盤を見たり、楽譜を見たりしながら、音の高さを視覚化すると、より一層音をイメージしやすくなるので、おすすめです。次の楽譜と音源を使って何度も練習してみてください。

スケール

2-2-2.移動ド唱法による相対音感トレーニング

音感には絶対音感相対音感があります。

絶対音感とは、ある音を聴いた時に、即座に何の音かを判断することができる能力を言い、この音感は、幼少期に音を記憶する訓練をしない限り身につけることができないものと一般的に言われています。

それに対し、相対音感とは、ある高さの音を基準に、他の音の高さを判別する能力であり、これは大人になってからでも十分身につけることができます。そして、伴奏に合わせて歌うためには、この相対音感が重要になります。

相対音感を鍛えるトレーニングとして、『移動ド唱法』というトレーニングがあります。『移動ド唱法』を説明する前提として、まず音程のとらえ方について説明します。

音程のとらえ方には『固定ド』『移動ド』という2つの方法があります。

『固定ド』とは、その名のとおり、『ド』の音を固定し、それを基準に他の音をとらえる方法を言います。

それに対し、『移動ド』とは、カラオケでキーを上げ下げするように、キーの上げ下げにより、基準となる『ド』の音を移動させ、その音を基に他の音をとらえる方法です。

そして、移動ド唱法とは、そのキーで基準となる音(キーの音)を『ド』とし、その『ド』を基準として他の音をとらえ、音階で歌うトレーニングを言います。

例えば、『かえるのうた』なら

キーがハ長調なら『ド』の音をそのまま『ド』と考え

『ドレミファミレド ミファソラソファミ ド ド ド ド ドド レレ ミミ ファファ ミ レ ド 』と歌います。

かえるのうた(ハ長調)

そしてキーを1音分上げて、ニ長調なら『レ』の音を『ド』考え同じように

『ドレミファミレド ミファソラソファミ ド ド ド ド ドド レレ ミミ ファファ ミ レ ド 』と歌います。

かえるのうた(ニ長調)

色々なキーで、このように移動ドで歌うことで、どんなキーの曲でも音程を正確にとらえられるようになります

色々なキーでかえるのうたを歌ってみましょう。高すぎたり、低すぎたりする場合には、1オクターブ下げたり、1オクターブ上げたりして歌いやすい高さで練習してください。

・ホ長調(ミをドと考える)

かえるのうた(ホ長調)

・ヘ長調(ファをドと考える)

かえるのうた(ヘ長調)

・ト長調(ソをドと考える)

かえるのうた(ト長調)

・イ長調(ラをドと考える)

かえるのうた(イ長調)

ロ長調(シをドと考える)

かえるのうた(ロ長調)

ただし、絶対音感を持つ方にとっては、このトレーニングは違和感を持つことが多いため、固定ドによって音階を歌う固定ド唱法の方が効果的な場合もあります。

2-2-3.音あてゲームによる相対音感トレーニング

ある程度、相対音感が身についてくると、基準の音が与えられれば、鳴っている音が、移動ドで何の音かが分かるようになっていきます。その感覚を利用して、ゲームで相対音感を鍛えることもできます。

二人一組になり、まず、ピアノで『ド』の音を確認します。その後一方の方が任意の音(白鍵)を弾きます。もう一方の方が何の音かを当てられれば正解、当てられなければ不正解という単純なゲームです。正解率が上がればそれだけ相対音感の精度も上がってきているということになります。

まずは、下の音源を使って練習してみてください。最初にドの音が流れますので、次に流れた音を当ててみてください。答えは最後に記載していますので、まずは何も見ずに考えてから答え合わせをしてみてください。

第1問

第2問

第3問

第4問

第5問

第6問

第7問

答え)第1問ソ 第2問ミ 第3問ラ 第4問レ 第5問シ 第6問ファ 第7問ド(1オクターブ上の)

2-3.イメージ通りの音を出すためのボイストレーニング

発声が原因でイメージ通りの音を出すことができないタイプには、以下のようなトレーニングが有効です。

2-3-1.声帯を引き伸ばす筋肉(輪状甲状筋)を鍛える

自分の声の高さを認知することができ、音程も正確に記憶できているのに、イメージ通りの音を出すことができない場合は、声の高さを決める『声帯の長さ』のコントロールが上手くできていないことが考えられます。この場合には、声帯を引き伸ばす筋肉である輪状甲状筋という筋肉を鍛えることで解決できます。この筋肉は裏声発声時に中心となって働く筋肉なので、裏声の発声練習が有効です。

2-3-2.楽に高い声を出すことができるミックスボイス(ミドルボイス)を習得する

地声で無理に高い声を出そうとすると、勢いで音がぶれてしまったり、狙った音に届かず低くなってしまうことがよくあります。これについては、地声と裏声の中間的な声であるミックスボイス(ミドルボイス)を習得することで、楽に高い声を出すことができるようになれば解決します。ミックスボイス(ミドルボイス)の詳細については、1オクターブ高い声だって楽に出せるミックスボイスとはをお読みください。

2-3-3.地声と裏声をスムーズに繋げられるようにする

地声と裏声の境目で、切り替えがうまくいかず、音が不安定になってしまうことも正しい音で歌えない原因の一つです。この場合は地声と裏声の境目をスムーズに繋げて上手く切り替えるトレーニングをすることで、解決することができます。地声と裏声をスムーズに繋げる方法の詳細については、地声と裏声をスムーズに繋げる3つの手順をお読みください。

3.まとめ

  • 音痴には、『自分の声の高さを認知できないタイプ』、『正しい音程が身についていないタイプ』、『イメージ通りの音を発声できないタイプ』の3つのタイプが存在する
  • 『自分の声の高さを認知できないタイプの場合』は、正しい音を正確に認知することができる方のサポートが必要
  • 『正しい音程が身についていないタイプの場合』は、移動ド唱法などの相対音感を鍛えるトレーニングが有効
  • 『イメージ通りの音を発声できないタイプの場合』は、発声を改善することで、正しい音で歌うことが可能

無料でレッスン動画をプレゼント!

LINE公式アカウントを友だち追加し、10秒で終わる簡単なアンケートにお答えいただくと、「高い声が出ない」、「すぐに喉が痛くなる」、「大きな声が出せない」という症状に効くレッスン動画を無料で視聴できます。ぜひご登録ください。

友だち追加
登録はいつでも解除できます。
発声改善率97% 科学的根拠に基づくボイストレーニング
  • 高音が出ない
  • 声が小さい
  • すぐに喉が痛くなる

科学的な根拠に基づいたボイストレーニングプログラムであなたの声のお悩みを着実に解決へと導きます!

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

おすすめの記事