声が小さい人でも大きな声が出せる「常識破り」な3つの方法

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伊藤 俊輔

京都大学法学部卒。解剖学・音声学等の科学的根拠に基づいた論理的な指導が支持され、これまで70を超える企業・大学・団体に対し、ボイストレーニング講座を実施。受講者は3,000人を超える。
  • 声が小さくてカラオケで気持ちよく歌えない
  • 仕事で何度も聞き返される
  • 居酒屋で店員さんを呼んでも気づいてもらえない

こんなお悩みはありませんか?

ちなみに私はというと、居酒屋で店員さんを呼んで、気づいてもらえなかったことはほとんどありません。(そういう理由で居酒屋ではいつも店員さんを呼ぶ係に指名されます(笑))

また、もちろん歌についても、その声の大きさに驚かれることが多々あります。

そういうわけで、「肺活量が多いんですか?」とか、「腹筋を鍛えているんですか?」なんて聞かれることもしばしば。
声量を上げる方法というと、「肺活量を増やす」、「腹筋を鍛える」といったトレーニングが常識になっているようです。
でもそのたびに私は、肺活量や腹筋と声量はあまり関係ないんだけどな…と思っています。

そこでこの記事では、こういった常識を覆す、全く異なるトレーニングをご提案します。
それは、「常識破りな」、しかしながら論理的な方法です。
ぜひ最後までお付き合いください。

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目次

1.そもそも声の大きさは何で決まる?

まずは声の出る仕組みから考えていきましょう。
のどの中には、声帯という二枚の向かい合うひだがあり、呼吸時には開き、発声時には閉じています。
この閉じた声帯の間を息が通ることにより、声帯が振動し、声が作られます。
そして、その声が、のどや口、鼻の空間に響くことによって大きさを増し、私たちの耳に届きます。

したがって、声の大きさとは、声帯響きの3つの要素によって決定されると考えられます。
今回は、この3つの要素のうち、息と声帯の関係から、声の大きさについて考えていきます。(響きについては、またの機会に解説します。)

2.肺活量や腹筋よりも声帯の閉鎖力が重要

2-1.大きな声には肺活量が必要か?

「大きな声が出ない原因は、肺活量が足りないからだ」と思っていらっしゃる方が多いと思います。

確かに肺活量が多いことは、大きな声を出す上で有利だと言えます。
でも実際に声の大きい人が、誰でも特別に肺活量が多いわけではありません。

ボイストレーニングのレッスンをしていると、小さな身体で肺活量が少ないと思われる生徒がとても大きな声を出している場面にたびたび遭遇します。
反対に、大きな身体で明らかに肺活量が多そうなのに声が小さいという生徒もいます。

また、今の二倍の大きさの声を出したいからと言って、肺活量を二倍にするというようなことは非現実的であると容易に想像がつくはずです。
したがって、大きな声を出すためには、息の量以外の要素があると考えるのが自然ではないでしょうか?

試しに、あなたが声量があると思っている歌手のライブ映像を見て、どれくらい息を吸っているか、今一度確認してみてください。
おそらく、多くの歌手が、実はそんなにたくさん息を吸っていないということに気が付くでしょう。(もし、毎回たくさん息を吸っているとしたら、その歌手は発声的には未熟ということになります。)

歌を歌うときは、表現の一部として、わざと大きく息を吸うことはあります。
しかし、基本的には曲のリズムに乗れるよう、素早く、最低限の息の量しか吸わないのが一般的なのです。

2-2.大きな声には力強い腹筋が必要か?

「大きな声が出ない原因は、腹筋が足りないからだ」と思っていらっしゃる方も多いと思います。
皆さんも一度は「歌には腹筋を鍛えることが必要」などの話を聞いたことがありませんか?
実際に多くの歌唱指導の現場でこのような教育がされています。

仮に声の大きさが、腹筋の強さに比例するとしたら、理論上ボディービルダーが一番声が大きいということになります。
しかし、現実には、ボディービルダーの人でも声が小さい人もいれば、腹筋が弱い人でも信じられないくらい大きな声量を出すことができる人もいます

確かに、腹筋があると、息の圧力を高めるのに有利です。しかし、声量を決める要素は腹筋だけではないのです。

(事実、私は恥ずかしながらお腹はぽよんぽよん(笑)で、腹筋は連続10回くらいしかできませんが、人並み外れた声量を持っています)

2-3.大きな声を出すためには、息を効率よく声に変えることが重要

では、肺活量もそれほど多くなく、腹筋も平均的な人が、なぜ大きな声を出すことができるのでしょうか。

それは彼らが、息を効率よく声に変えることができできているからなのです。
そして、その効率には声帯の閉鎖力が関係しています。声帯の閉鎖力とは息を受け止める力のことです。

つまり彼らは、声帯で息をしっかりと受け止めることで、効率的に息を声に変えることができ、その結果、大きな声が出せているのです。

逆に言えば、あなたが仮に肺活量を増やすことに成功したとしても、また、腹筋を鍛えて今まで以上に息の圧力を高めることができたとしても、声帯で息をしっかり受け止めることができなければ、息漏れの多い声になるだけなのです。

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3.声帯の閉鎖力を高める方法

では、ここからは声帯の閉鎖力を高めることのできる簡単なトレーニングを紹介していきます。

3-1.地声らしい地声で声帯の閉鎖力を鍛える

特に女声に多いのですが、地声で話しているつもりでも、裏声混じりの柔らかい地声になっている方がいらっしゃいます。
このような状態では、いざ張りのある力強い声を出そうとしても、筋力が足りず声帯を上手く閉鎖することができません。

しっかりと声帯を閉じた「地声らしい地声 」で話す習慣を身につければ、日常生活の中でも、声帯を閉じる筋肉が鍛えられていきます

地声らしい地声の出し方については、【チェストボイス】誰でも力強い地声で歌える3つのコツ!!をご覧ください。

3-2.笑い声で声帯の閉鎖力を鍛える

ここでいう笑い声とは、『くすり』と笑うような感じではなく、こんな感じの笑い声です。

『ワッハッハ』と大笑いすると、その瞬間、声帯は力強く閉じてくれます
大笑いする人って声の大きい人が多いよな~なんて思いませんか?実はそこにも因果関係があるのです。
大笑いする人は日常生活の中で、声帯閉鎖力を鍛えているんですね。

大人になると大声で笑うことが少なくなってきますが、そうすると声帯の閉鎖力も落ち、声が小さくなってしまいます。
日頃から積極的に声を出して笑うようにしましょう

3-3.ショップ店員さんのモノマネで声帯の閉鎖力を鍛える

街中を歩いていると、色々なお店から『いらっしゃいませー』と声が聞こえてきて、『よく通る声だな~』と思ったことがありませんか?

実はあの声にも大きな声の秘密が隠されています。
よく通る声の店員さんを観察すると、実は多くの方が、平べったい声で発声しているのです。
こんな感じの声です。

このショップ店員さん特有の平べったい声には、声帯を閉鎖する筋肉が働きやすいという特徴があります
平べったい声を練習すると、声帯を閉鎖する筋肉が使われて、だんだん大きな声が出せるようになっていきます。

4.まとめ

いかがでしたか?
そんな方法で本当に声が大きくなるの?と、まだ疑問に思う人も多いでしょう。

それもそのはず、なぜならこの方法は、現在の常識ではないからです。
皆さんがこれまで一度も聞いたことのない「常識破りな」考え方だったからです。

しかしながら、今一度考えてみれば、これまで一般的に言われてきた声を大きく出すための常識は、果たして本当に説得力のある論理的なものでしょうか?

私はこれまでの常識にとらわれずに、ある意味で「常識破り」であったとしても、「論理的」に声をとらえ、考えることが大切だと思います。

また、実際に、私の元に通う生徒さんたちの中にも、この方法で声量がアップし、満足いただいている方がたくさんいます。
そんな経験を、私はより多くの皆さんに実感してもらいたいと、心から思います。

この「常識破りな」考え方が、いつか皆さんにとって「常識」になる日が来ることを願っています。

P.S.
大きな声の出し方が自分ではよくわからないという場合は、LogiVoの体験レッスンをご検討ください。
LogiVoの体験レッスンでは、あなたの声を解剖学・音声学等の科学的知見に基づいて診断し、具体的な解決方法をご提案します。

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