きれいな裏声の出し方!誰でも簡単にできる7つのコツ!

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伊藤 俊輔

京都大学法学部卒。解剖学・音声学等の科学的根拠に基づいた論理的な指導が支持され、これまで70を超える企業・大学・団体に対し、ボイストレーニング講座を実施。受講者は3,000人を超える。

あなたは裏声を使って歌っていますか?

私が歌を始めたときは、裏声の出し方が全く分からず、地声だけで歌っていました。
この記事を読んでいる方の中にも、裏声が全く出せないという方がいるのではないでしょうか。

また、裏声を出すことはできても、かすれてしまったり、喉が絞まったりして、きれいに出すのが苦手だという方もいるでしょう。

そこでこの記事では、誰でも簡単にできるきれいな裏声の出し方を解説します。

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目次

1.地声と裏声の違い

そもそも裏声とは何かということを理解していただくために、まずは地声と裏声の違いについて簡単に解説します。

喉仏の中には、声帯という向かい合う二枚のひだがあり、呼吸時には開き、発声時は閉じています。
そして、この閉じた声帯の間を息が通ることにより、声帯が振動し、声が作られます。

地声を出すときは、声帯を閉じる筋肉が中心となって働くことで、声帯がしっかりと閉じ、声帯自体も分厚く、短くなります。その結果、力強く太い声色となりますが、声の高さは裏声よりも低くなります。

それに対して、裏声を出すときは、声帯を引き伸ばす筋肉が中心となって働くため、声帯の閉鎖は弱まり、声帯自体も薄く、長くなります。その結果、細い声色となりますが、地声よりも楽に高い声を出すことができるのです。

声を出すときは、声帯を閉じる筋肉と声帯を引き伸ばす筋肉が連動して働き、声帯を閉じる筋肉が優勢に働くと地声声帯を引き伸ばす筋肉が優勢に働くと裏声になるというわけです。

声を出そうとしたときに、声帯を引き伸ばす筋肉よりも声帯を閉じる筋肉が優勢に働く癖がついていると、裏声が出しづらくなります。
したがって、裏声を出すためには、声帯を閉じる筋肉の働きを弱めてあげることがポイントとなります。

なお、裏声には2種類あり、息漏れが多く、芯のない弱々しい裏声をファルセット息漏れが少なく、芯のある力強い裏声をヘッドボイスと言います。
そして、ヘッドボイスを習得するためには、ファルセットが綺麗に出せることが前提となります。

そこで今回は、きれいなファルセットの出し方について解説します。

※地声の出し方については、【チェストボイス】誰でも力強い地声で歌える3つのコツ!!をご覧ください。
※息漏れが少なく芯のある力強い裏声については、弱々しい裏声を芯のある裏声に鍛える5つの手順をご覧ください。

2.裏声を練習するメリット

裏声のメリットを理解することは、トレーニングを続けるモチベーションにつながります。
そこで、ここでは裏声をマスターすることのメリットをご紹介します。

2-1.音域の拡大

裏声を使えるようになると、音域が1オクターブ程度広がるため、地声だけでは届かない高音域をカバーできるようになり、より幅広い楽曲を歌うことが可能になります。

2-2.表現力の向上

曲の中で地声と裏声を使い分けることで、より豊かな表現が可能になり、感情のニュアンスを細かく伝えることができるようになります。
例えば、バラード曲では裏声を使って柔らかく歌うことで、感動的な雰囲気を作り出すことができます。

2-3.声の持久力の向上

裏声を使うことで、声帯への負担を減らし、長時間の発声でも喉を痛めにくくなります
また、適切な裏声の使用は、声帯結節などの声帯障害を予防する助けにもなります。

2-4.ミックスボイス習得につながる

高音域を力強い声で発声するには、地声と裏声の中間的な声であるミックスボイスの習得が欠かせません
ミックスボイスの習得には、地声と裏声を力強く綺麗に出せることが前提となりますので、ミックスボイスを習得したい方は、綺麗な裏声の習得が必須となります。

3.全く裏声が出せない人が取り組むべきアプローチ

以前の私のように、裏声の出し方が全く分からないという方もいらっしゃると思いますので、まずは裏声が全く出せない方が、裏声を出す感覚をつかむためのアプローチを最初にご紹介します。
すでに裏声を出すことができるという方は、次の項目まで飛ばしていただいて構いません。

さて、裏声が出せない方には二つのタイプが存在します

3-1.一定以上の高い音を出そうとするとのどが絞まって裏声に抜けないタイプ

裏声を発声するためには、声帯を緩く閉じる必要があるのですが、高い音を出そうと力んでしまうと、声帯が強く閉じすぎてしまいます
そして、声帯を強く閉じすぎると、次の録音のようにのどが絞まったような感じになり、上手く裏声に抜けることができません。

このようなタイプの方は、リップロールという練習を利用して、地声から裏声に抜ける練習をするのが効果的です。
なぜなら、リップロールには脱力を促し、声帯の閉じ具合を緩める効果があるからです。
唇を緩めて、軽く閉じ、唇をプルプルと振動させながら声を出します。指で両頬を持ち上げながら練習するとやりやすくなります
次の録音を参考にしてください。

3-2.裏声を出そうとするとささやき声になってしまって音にならないタイプ

地声から裏声にひっくり返すと、声帯の振動が起こらなくなってしまうタイプです。次の録音のような声になります。

このようなタイプの方は、次の録音のように一度息を吸いながら裏声を出してみてください
勢いよく吸いすぎると声帯が閉じすぎてしまうので、柔らかく吸うのがコツです。

息を吸いながら裏声を出すことができたら、今度はそれをお手本に息を吐いて裏声を出してみます。
次のように吸って吐いてと交互に練習することで、感覚をつかみやすくなります。

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4.きれいな裏声を出す方法

裏声を出す感覚がつかめたら、次はきれいな裏声を出すためのコツを解説していきます。
きれいな裏声を出すためには、声帯を閉じる筋肉の働きを弱めてあげることが重要です。

4-1.裏声を導きやすい発音での発声する

子音には、声帯の閉じ具合を強くする子音や弱くする子音があります。また、母音には、地声になりやすい母音と裏声になりやすい母音があります。
そこで、声帯の閉じ具合を弱くする子音と、裏声になりやすい母音を組み合わせた言葉で発声練習をすることで、ファルセットが出しやすくなります。
声帯が開きやすい子音の代表例として『h』、裏声になりやすい母音として『u』がありますので、それらを組み合わせて、『フー』という発音で発声練習します。

4-2.息の量を多めにして発声する

声帯を閉じる力を強めると息漏れは少なくなり、声帯を閉じる力を弱めると息漏れが多くなります
そこで意図的に息の量を多めにして発声することで、声帯を閉じる力を弱めてあげることができます。

4-3.放り投げるように発声する

音を高くしていくときに喉は力みやすく、逆に音を下げていくときに無駄な力が抜けやすくなるため、放り投げるように発声することで、無駄な力みを取ることができます。

4-4.リラックスして発声する

喉に力みがあると、声帯の閉鎖が強まりやすくなるので、リラックスして発声練習することもポイントです。

4-1から4-4までのポイントを押さえて、次の録音のように発声練習してみましょう。ため息をイメージして、気持ちよく楽に声を出すようにしてください。

4-5.日常生活で無意識に使っている裏声にヒントを得る

人は知らず知らずのうちに裏声を使っています。例えば、『ハ~』というあくび、ライブ会場での『フー』という声援、また、鼻歌で裏声を使っている方も多いかもしれません。
日常生活で裏声を使っている場面を見つけたら、それをお手本に発声練習をしてみましょう。

4-6.裏声を出している映像をたくさん見る

スポーツの世界でよく聞きますが、理屈をたくさん勉強するよりも、実際にプレイをしている人の映像を繰り返し見る方が上達が早いことがあります。
ボイストレーニングも同じで、上手く発声している人の映像をたくさん見ると、突然できるようになることがあります。
裏声についても、たくさん裏声を使う歌手の映像(できればライブ)を見ると、突然コツがつかめることがありますので、たくさん見るようにしましょう。

4-7.地声と裏声を交互に出す

裏声が出せるようになったら、地声と裏声を交互に発声し、裏声を出す感覚を明確にしていきましょう。
繰り返し練習することで、いつでも裏声を出せるようになっていきます
次の録音を使って、私の声に続いて、地声と裏声を交互に出す練習をしてみてください。

5.まとめ

  • 『フー』という裏声になりやすい発音で発声する
  • 息の量を多めにして声帯が開きやすくする
  • 放り投げるように発声すると無駄な力が抜ける
  • 日常生活で裏声を使っている場面を見つけたら、それをお手本にする
  • 裏声を出している映像をたくさん見る
  • 地声と裏声を交互に出す

きれいな裏声の出し方が自分ではよくわからないという場合は、プロのボイストレーナーにアドバイスをもらうのも有効です
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